ことばのリボンKindle「ぬくもり」
(4月に出版した電子書籍より)
肌寒い季節。
ストールを引っ張り出して、温まる毎日です。
温かいものに包まれる幸せをしみじみと感じながら、
「ぬくもり」ってどんな時に欲しくなるか考えてみました。
もちろん、寒い季節。
肌に優しく触れるぬくもりは、幸福感を与えてくれます。
そして心が冷たい時も、温かい何かを求めています。
泣きたくてたまらないとき。
堂々巡りで、天を仰いでしまうとき。
誰かに聞いて欲しいのに、
言い出せない。
そんな苦しみを抱えているとき。
「どうしたの?」って気付いてほしくなるものです。
頬を両手で包んだり頭を撫でたり、
背中をさすったり。
そんなシンプルなぬくもりが欲しくなります。
心に何枚も何枚も
毛布を掛けて欲しいと、願う。
だって、
その時の温かさを知っているから。
安心するのを、本能で分かっているから。
自分もあったかい毛布のような言葉を、
誰かに掛けてあげられているかな。
もっともっとあったかい人になりたいなぁ。
……そんなことを思った、凍える冬の夜でした。