top of page

ことばのリボンKindle「愛しいモノ」

更新日:2020年10月29日


いつも肌身離さず、傍(そば)においてあるストップウォッチ。

よく見てみると電池のマークが

点滅していました。

そろそろ電池がなくなりそうです。

はて。このストップウォッチ。

一体、何年選手だったかな……。

ラジオ番組のアシスタントをしていた

大学3年生の頃、当時のディレクターやパーソナリティから薦められたのが、

このストップウォッチ。

業界の方であれば、必ずと言って良いほど持っています。なかなか高額の代物。

当時の私にとって、

かなり勇気の要る買い物でした。

でも、このストップウォッチを持って

いるだけで「出来る人」になった

錯覚(さっかく)を覚えたものです。

使わなくても良いのに、持っているのを自慢したかった新人時代。

原稿が上手く読めなくて、悔しい思いをしながら押したストップボタン。

当たり前の存在になった頃、雑に扱って取れたガラスカバー。

いつも、どんな時でも、一緒にラジオを作ってくれました。

私の声を、一番近くで聴いてくれている相棒です。

そんな愛しいモノに囲まれて歳を重ねていくって素敵ですよね。

モノが溢れて新しいものに飛びついて、

要らなくなったらあっさりと捨てる。

それって、やっぱり悲しいことだと思うのです。

自分が生きていく姿を、

見守ってくれる愛しいモノたち。

時々は優しく声をかけて

労(いた)わってあげましょう。

さて。時間を見つけてストップウォッチを、

文字通りエネルギーチャージさせなくちゃ! 

いつも本当にありがとう。これからも宜しくね。

タグから検索
最新記事
アーカイブ
bottom of page